裸足の季節
あらすじ
イスタンブールから1000km離れたトルコの小さな村に住む、美しい5人姉妹の末っ子ラーレは13歳。10年前に両親を事故で亡くし、いまは祖母の家で叔父とともに暮らしている。学校生活を謳歌していた姉妹たちは、ある日、古い慣習と封建的な思想のもと一切の外出を禁じられてしまう。電話を隠され扉には鍵がかけられ「カゴの鳥」となった彼女たちは、自由を取り戻すべく奮闘するが、一人また一人と祖母たちが決めた相手と結婚させられていく。そんななか、ラーレは秘かにある計画をたてる……。
裸足の季節を観た。
はじめは映像きれいそうだな~くらいだったけれど、観たあとにすごくいろいろ考えてしまった……
以下感想。
田舎の古い価値観の祖母は「私は結婚するまで夫の顔も知らなかった」と言った。「良い妻になりなさい」「相手のご両親のことを自分の両親だと思うのよ(そして大切にするのよ)」
作中の姉妹たちにとって、伝統的な価値観を押し付けてくる親戚は敵だけど、みんな本当に姉妹の幸せを願っている。結婚して子供を産んで一生家のなかで家事をして、歳をとって孫に囲まれて寿命で死ぬのが幸せだと。
そのためには料理が上手で、裁縫ができて、貞淑で従順で、男性の視線に頬を赤らめるような乙女じゃないといけない。
きっと子供を産んだらかわいいし、家に入って料理を作ったり、夫や子供の世話をしたりする毎日は最悪ではない。ときどき女性だけで集まって、お茶を飲んでお菓子を食べておしゃべりするのだって楽しいと思うこともある。
別にみんな悪い人な訳ではない。姉妹たちの気持ちも分かってくれていて、街の電源を落としてかばってくれたり、ラーレとヌルが逃げるとき、「行かせてやれ」と言ってくれたりもする。
夫に従って逆らわなければ、ある程度は好きにさせてもらえる。
好きにさせてもらえる。でも自分には決定権がない。させていただかなければならない。一生お伺いをたてなければいけない。
祖母の世代からすればずいぶん恵まれているはずだけど、まだましといった程度。
殺されないだけましなのだろうか。
軟禁されて若いうちに無理やり嫁がされるラーレたちはもちろんかわいそうだけど、親戚のおばさんたちもかわいそう。
君だってかわいくないよ
あらすじ
ウィルは、母親を亡くした姪ステイシーの世話をすることを条件に、刑務所から釈放されることに。二人は、アイルランドの田舎町で生活を始める。ステイシーの過眠症、ウィルの薬中毒等、問題もあり、なかなか素直に自分の気持ちを相手に伝えられない二人だが、ぶつかり合いながらも徐々に打ち解けていく。保護観察の最終結果を決める面接の前に、ステイシーはウィルが刑務所に入った理由を知ってしまい・・・。
なんとなく気になっていたのでAmazonビデオで購入。
レンタル400円、購入1,000円だったので買ってしまいました。
映像はジャケットの通りずっと茶色く、アイルランドっぽい雰囲気が出てるなあと思いました。(行ったことはないけど)
タイトルはいちばん最後に回収されます。ネタバレすると、映画のはじめのほうでウィルがステイシーに、「おもしろいジョークを教えてやろう。ある日男が病院へ行って検査を受け、結果が分かったら電話をもらえることになっていたんだ」と話し始めます。
しかし途中でウィルが保護監察官に電話しなければいけないため(仮出所中?で定時に連絡しなければならない)、ジョークの落ちはいったんおあずけに。
そしていろいろ(そんなににぎやかではないけれど)あって、ラストに回想シーンが。
「あの馬鹿みたいなジョークの続きを教えてよ」とステイシー。そうだな、と話し始めるウィル。
「医者に行った翌日、男の電話がなる。そして医者はこう告げる『あなたは余命6週間です』と。男は言う『別の意見(セカンド・オピニオン)も聞きたい』」
「『いいでしょう』医者は言った『あなたはブサイクでもある(You're ugly too)』」
わたしとステイシーの感想は同じく「よくわかんない」でした。
ストーリー、音楽、映像、どれも派手ではないけれど静かで、陽の光がきれいな映画です。感動する内容ではありませんがアイルランドの雰囲気がよいです。特にときどき挿入される線路のカットが印象的です。